割ってみると青い断面が……。広島で石拾いに行ってきた。
雨上がりの金曜日。トレーニングが終わった私は、約七ヶ月前ほどに訪れた糸魚川で拾った石を眺めていた。
中には「これ翡翠……?(黒翡翠?)」なんてものもちらほら。これはそのうちの一つ。透け方はあまりよろしくはないが、それでもいい透け具合。とても綺麗だな。
その時ふと思った。
広島で石拾いするとしたらどこだ……?と。
というわけで、早速調べてみた。
しかしあまり出てこない。調べてみても関東や糸魚川、東北といった地方で、広島はなかなか見つからない。
うーんだめか、と思った時だったんだ。
去年に大久野島に行った時に、海が見えるとても綺麗な海沿いの街があったような……?と思い出したんだ。
次の日。土曜日でちょうどトレーニングが休みだった私は、カメラレンズ食料お茶石BOXその他もろもろ(ここまで一息)が入ったカメラバッグを引っ掴んで、その記憶を頼りに電車に乗り込んだ。
確か、広駅〜忠海駅くらいの区間だったような……?なんてことを思いながら窓際の席に座り、流れる景色を眺めていると……。
ああ、ここだ。
と直感で思った景色が目に入った。突然の事でしたので残念ながら写真は撮れていないのですが、急いでその駅に降りることに。
間違いなくここだ。
写真も撮ってきたぞ。
一面の海景色。瀬戸内海が綺麗だろう?
丁度下が道路だったからきっと国道か何かだろうと推測しつつも下に降りれるところを見つけるために歩き始めた。
採集場所を探していると、なんと下に降りた先に砂浜を発見。
しかし勝手に入るわけにも行かず、近くにあった牡蠣を取り扱っているお店に赴いたんだ。
コンコンコン、と三回扉をノックすると、訛りのある日本語で「はぁい」と声が。
しかし、出てきたのはなんと外国人。しかも一人だけではなく、複数人!
英語分かるかな?と思ってどこ出身かを聞くと、なんとベトナムだと言う。
日本で働いていて、とても頭が上がらない。きっと御家族ぐるみで経営しているんだろうな……。
なんとか翻訳機でベトナム語を召喚し、下の砂浜に降りてもいいかを確認すると……、
「ああ、OKOK!」
なんと許可をいただいた!お礼を言い、颯爽と降りたぞ。(早い)
場所の特定になるから写真は撮っていないが、とても砂浜とは言えないような場所だったな。きっと長年放置されていたんだろう、ブイがあったからきっとここに船を留めていたんだなぁ……と思いつつ、貝殻だらけの砂を踏みしめて歩いていく。
ちょうど干潮だったし、濡れた石たちが顔を出していた。落ちている石の形からして、波はそこまで激しくないようだが……ゴツゴツとした尖った岩、石が多く転がっていたのを見ると、満潮になってもそこまで潮が上がってこないんだろうな。
こりゃいい物が採れるかなぁと期待して石拾いを初めて十分後……。
取れん!!!!!
緑がかって(おそらく藻)いたり、フジツボが引っ付いているようなような石ばかり。とても危険で触れねぇと思った矢先、その中に気になる石がありました。
んん?これは…………砂岩だな。
砂岩というのは、石が集まってできた石のことだ。砂が多い海岸や、水の流れが緩い所で見つけたりする。
これも砂岩だろう。色々な石や小さなガラスが混じっているから、観察のしがいがあるな。
しかしこんなに綺麗な砂岩は見た事がないな。手で触るとボロボロ崩れるが、大切に持って帰ろう。
……と、こんなものか。
寮に帰って拾った石を見ていると、同室のレイクビクトリアが興味津々に話しかけてきた。
……今度こいつも連れていくか。